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 第88回全国高校野球選手権大会 8月18日 阪神甲子園球場



 26年ぶりのベスト4進出、さあ次は歴史をつくれ!

 
日大山形
早  実×


 大会第12日目を数える夏の甲子園。白球をめぐる日替わりのドラマが連日生みだされ、すでに出場選手のほとんどが甲子園を去った。そんななか早実は、準々決勝を日大山形高と戦い、2対5で勝利。26年ぶりに夏のベスト4進出を決めた。前回の福井商戦に続き、この日も8回に集中打で一挙4点を挙げる逆転勝ちで、「逆転の早実」を印象づける試合となった。今大会注目右腕、斎藤佑樹(3年)は2失点完投勝利で、奪った三振は10を数え、今大会の通算奪三振数を36とした。

 この日も斎藤は序盤から三振の山を築く。しかし今までの直球主体の投球とは違い、捕手の白川英聖(3年)が変化球を軸とした配球で、立ち上がりの斎藤を好リード。5回までに7個の三振をすべて縦に落ちるスライダーで奪い、直球狙いの日大山形打線をはぐらかした。しかし6回の先頭打者に三塁打を許すと、次の強打者4番・常川の振り抜いた白球が前進守備の内野を空しく抜けて同点に。後続にも甘い球を狙われてこの回2失点で逆転されてしまう。

 「自分達で流れを取り戻そう」。8回の攻撃前のミーティングで鼓舞し合ったナイン。その直後、先頭打者の代打・神田雄二(3年)が初球を恐れずに右前へ弾き返す。センバツまでは先発メンバーだった神田。夏は後輩にポジションを託しベンチで声を枯らした神田の一打でこの回の集中打が始まる。次の8番の白川がきっちり犠打を決め、9番の1年生、佐々木孝樹は公式戦初スタメンながら中前安打で先輩に好機をつなぐ。中学時代は走り高跳びで好成績を収めたアスリートに備わる抜群の身体能力がバットに伝わった瞬間だ。次の川西啓介(2年)が死球で1死満塁。ここで「打った球は覚えてないです。集中打が自分達の野球です」と話す2番・小柳竜巳(3年)が遊撃手に強烈なライナーを浴びせて2者が生還し逆転に成功。4番の後藤貴司(3年)、船橋悠(3年)もこれに加勢して一気に4点を奪い、見事な集中打で大逆転劇が成就した。

 6回に2失点を喫した斎藤も、7回以降は直球でグイグイ押す本来の投球で安打を許さなかった。試合のなかで臨機応変に攻め方を変えられるその投球術は、マウンド上で常に冷静な斎藤だからこそ為せる技。これで第62回大会、荒木大輔(現プロ野球西武コーチ)を擁して以来、26年ぶりのベスト4進出。創部100年を超す歴史がある早実野球部も、夏の選手権優勝は未だかつてない。次は一戦必勝の2連戦。試合後、「ここまできたらとにかく総力戦」と和泉実監督(昭59教卒)の語気は一段と強くなった。

(堀和彦) 







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