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 ユニバーシアード2011 第3回 佐々木龍×今井一誠 自転車



 【第3回】佐々木龍×今井一誠/自転車

 今年1983年以来28年ぶりにユニバーシアードへの競技として正式に復活した自転車競技。そんな奇跡的な年に出るべくしてでるものがいる。ワセダの絶対的エース佐々木龍(スポ3=神奈川・横浜)と今季抜群の安定感を誇る今井一誠(社3=東京・昭和一学園)だ。ユニバーシアードの出場権を獲得した現在の心境、更には唯一の3年生コンビとしてチームを引っ張るお互いの存在についてお話を伺った。


「日本にメダルを持って帰って来る」

和やかな表情で答える佐々木龍
――ユニバーシアード出場おめでとうございます!出場を決めた今のお気持ちは
佐々木
 嬉しいです!
今井  同じく!

――ユニバーシアード出場が決まったことを真っ先に伝えた人は
佐々木
 天国のおじいちゃんです!(笑)。
今井  それはだめかな…!(笑)。

――もう少し真面目にお願いします!(笑)。
佐々木
 ユニバーシアードが決まったことですよね!?…両親です!

――特にお父さんは何と言っていましたか
佐々木
 僕はトラック専門なので、「まさかロードで出るとは思わなかった。とりあえず頑張ってこい」と。
今井 自分は父親でしたね。
佐々木 DEARママ?
今井 DEARパパ!

――今井選手のお父さんは中国まで応援に行かれると聞きましたが、佐々木選手のお父さんは
佐々木
 パスポート持ってません!
今井 (爆笑)。

――ユニバーシアードで、自分のプレーで見てもらいたいところはどこですか
佐々木
 やっぱり、あれですかね!(投げる手ぶりをしながら)バッターをビビらせるこの剛速球!
今井 (笑)。俺は(リードするポーズをとりながら)ピッチャーのモーションを盗む盗塁!?
佐々木 はい、リーリーリー! (実際に盗塁をやって見せ椅子を倒してしまう佐々木選手)

――なるほど(笑)。・・・本当は何ですか(笑)?
佐々木
 すみません(笑)。おそらくロードレースとチームタイムトライアルに出場すると思うんですけど、やっぱり自分はタイムトライアル系が得意なので…そのスピード!4人で1つになった走りをすればメダルを狙えるんじゃないかと思いますね。
今井 やっぱり、自分は得意とするケイリンで、世界の大学の選手と走ってる時にスピードが乗って当たりますよね?そこでの…
佐々木 あれですね!フィジカル!
今井 そう!フィジカル!フィジカル!ポテンシャルじゃなかった(笑)。
佐々木 ケイリンは日本発祥のスポーツです!その日本発祥のスポーツであるケイリンで負けてはいけない!
今井 プレッシャーだなあ…(苦笑)。
佐々木 だって言ってみればお家芸だからね!
今井 そうだね!負けられないね。
佐々木 負けちゃいけない!

――日本代表について重みはありますか
佐々木
 (胸を2度強く叩いて見せる)これですね。僕は何度か大学生になってからも海外遠征とか連れていってもらっているので、割とそういうやらなきゃいけないという気持ちには慣れていますね。ユニバーシアードは学生だけの特別な大会なので、しっかり今回結果を出して自転車競技でメダルを取って帰ってきたいです。
今井 (同じく胸に手を当てる今井選手)ドッキドキです!行きたくても行けない人もいるので、態度などは日本の代表として恥ずかしくないようにしていこうと思います。なおかつ結果も残せたらなと。緊張もしてるけど、楽しみたいなと思います。

――海外選手の印象は
佐々木
 日本よりもヨーロッパの方が自転車が盛んで、学生がどれくらいのレベルかは分からないんですけど、とにかく強そうなイメージなので、しっかりこっちで練習して万全な準備をしていきたいです。基本的に(海外選手の)データが少ないよね!
今井 だよね!海外選手が一回日本にも練習しに来たんですけど、遅いんじゃないかと思って見てても結構流行っかったんでちょっと分かんないです。
佐々木 でも日本発祥のスポーツ「ケイリン」なんで負けるわけにはいかないですね!
今井 (笑)。絶対に負けられない戦いが…
佐々木・今井 そこにはある!(笑)。

「先行して勝つ」


本職ではないロードで力走を見せる今井
――では、全日本選手権トラックについてお聞きします。今井選手は、ケイリンで優勝して出場権獲得、佐々木選手は個人追抜で惜しくも敗れ2位で出場権を逃し、マディソンでは落車も経験しました。今振り返ってみてどうですか
佐々木
 本当に4キロ(メートル個人追抜)で2位になったことに関しては、自分のその大会に出せる力を出した結果なので悔しかったんですけど、仕方ないです。その後のマディソンでは、もちろん優勝を狙っていたんですけど、途中でアクシデントがあって…悔しい気持ちでいっぱいです。

――そのマディソンの走りで今井選手が感動して涙したそうですね
佐々木
 なんていうか言葉で表すのが苦手なんで…仲間の大切さとか表せない気持ちってあるじゃないですか。そういう色んなものを一番近くでやってきたので分かってくれてるというか、そういうものがありますね。
(互いに見つめあってグータッチをするお二人)

――いいですね!今井選手は優勝してどうですか
今井
 完璧な優勝ではなかったんで(※1位でフィニッシュした野口選手(中大)が失格となったため、2位でゴールした今井選手が繰り上げでの優勝)、正直野口さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。

――それでも、続く全日本アマチュア選手権では野口選手にリベンジを果たしての優勝です!
今井
 嬉しかったんですけど、野口さんは先行する人で自分は後ろに着く人なんですよ。今度はちゃんと先行して勝ちたいです!

――いつも野口選手の後ろについてレースを展開してるのは意識的にやってるのですか
今井
 いや、意識的にやったのは全アマくらいです。それ以外は流れでババッと。

――佐々木選手は今シーズンの今井選手の走りをどうご覧になっていますか
佐々木
 きれてますね!どっちかというと、今井は去年も一昨年もインカレで最高潮のキレがきてる感じだったんですけど、今シーズンは前半からきっちり決めてきてくれているので、本当にチームの中でも信頼が厚いですし、かなりインカレやユニバーシアードも期待できる思います。
今井 信頼が厚いとか初めて聞いた(笑)。


「調子はどんどん上がってきている」

日本代表ジャージを身にまとい、強烈な存在感を示した佐々木龍
――佐々木選手はチームタイムトライアルでは、腰痛で途中リタイアしましたが、翌日の個人タイムトライアルでは見事優勝!自分の中で変わった部分はありましたか
佐々木
 自分の中で変わったというか、気持ちが違うというか、個人では絶対決めたいと思っていたので!

――個人タイムトライアルでは全日本選手権トラックで負けた窪木選手(日大)に勝っての優勝です!
佐々木
 やっぱり、今一番のライバルだと思っていますし、窪木さんは何でもできる選手なので勝てたことは自信にもなります。でも、専門のトラックの方でやられっぱなしで、本当はトラックの方で勝負しなきゃいけないんですけど、まずはタイムトライアルで勝てて嬉しかったです。

――今井選手は今シーズンの佐々木選手の走りをどうご覧になっていますか
今井
 去年にも増して熱い走りをみせてくれているなと思います。今年はもうちょっとって時もあったんですけど、すごく頑張っていて、本当に心を打たれる良いレース、プライスレスです!つくづくすごいと思います。

――今の調子はいかがですか
今井
 今年は去年にも増していい感じなのでこのまま持続して、まずはユニバーシアードへ向けて頑張りたいと思います。
佐々木 僕もユニバーシアード、インカレ(全日本大学対抗選手権)に向けてどんどん調子は上がってきているという感じです。

――腰痛の痛みは大丈夫ですか
佐々木
 そうですね。病院に通ってケアしているので、調子はいい感じです!

「(お互いは)特別な存在」、「佐々木がいるからワセダに」


手を使って説明する今井
――唯一の三年生コンビですが、お互いの存在は
佐々木
 入学の時から、お互いが居なかったらここまでやってこれてないっていうのがあります。
今井 本当にね!
佐々木 恥ずかしいですけど、二人で支え合ってやってきた感じはします。特別な存在ですね。

――二人の第一印象は
佐々木
 第一印象は、高校二年の時の関東大会で、お互い同じ種目に出てたんですよ。僕がローラー乗ってアップしてる時に(今井が)その向こう側でこっち向いてローラー乗ってて、バチバチって火花飛ばしてたよね。お互い「負けねーぞこら」みたいな感じで!
今井 ほんと、火がすごかったよね!なんか、でけーのいるなと思った。
佐々木 俺はガラの悪いのいるなと。昭和第一はこんなガラの悪いのがいるのかと(笑)。
今井 横浜高校はなんで自転車なんかやってんだ、野球やってこいと(笑)。

――それが同じワセダに入ることになりました
今井
 佐々木はスポーツ推薦で、自分は自己推薦なんですけど、合格が決まってから正直、大学に行こうか、競輪学校に行こうか自分悩んでて。でも、やっぱり佐々木がいるから大学行こうかな、みたいな。…何の質問だっけ、今?(笑)。
佐々木 お互いの第一印象からの同じ大学に行くことになってって話!
今井 やっぱり佐々木がいるからってことで、自分は入学決めましたね。

――お互いの尊敬するところは
佐々木
 高校時代から、今井に関しては、短距離に優れている選手で、スタンディングは本当に高校生で一番だったので、そのスタンディングが欲しいですね。絶対この大学生活で、今井のスタンディングをコピーしてやろうと思って、三年目に入りましたけどなかなか追いつけないです。
今井 佐々木は、今はふざけてますけど、レースとか試合前の練習とかになると、目の色が変わって、オンとオフの切り替えが出来るのでそういうところがすごいアスリートだなって思いますね。

――逆に、ここだけは直して欲しいところは
今井
 強いて言うなら風呂一緒に入った時に、裸でまとわりつくのはやめてほしい(笑)。
佐々木 (笑)。なんかあるかな…。あっ、スタンディングで僕を置いてくのをやめてほしい!

――普段はどんな話をしますか
佐々木
 普段は本当にオールジャンル!自転車関係だとこの先自転車部を引っ張っていかなきゃいけないんで、どうしようかみたいな話をしたりとか。
今井 来年、二人で4年なんで。
佐々木 屋上で裸になりながら、話をしたりもしますよ。もうなんかファミリーですね!なんでも話せます。

――二人でアドバイスをし合うことはありますか
佐々木
 そうですね。お互いフォームに悩んだりしてる時とかもこうしたらいいんじゃないのか、とか。チーム競技で一緒に走ったりもするので、自転車のセッティングとか走り方とかもお互い言ったりしますね。
今井 そうそう!どうしても合わない時とかにね。

――試合前の過ごし方は
今井
 試合前は、自分特殊で1時間前とかって皆結構(試合)モードに入るんですけど、自分はアップしながらも話しかけて欲しい、むしろ話したいタイプなんですよ。それでレース1分前とか2分前くらいになってちょっと集中するくらいが一番調度いいくらいかな、と思います。たまにかっこつけて、ギラギラやってる時もあるんだけどね(笑)。
佐々木 僕は、体が硬くなっちゃうとそのレースにも関係してくるので、音楽聞きながらゆるーくストレッチしたり、腰伸ばしたりして、自然にしてるのが一番ですね。

――続いて学校生活についてお聞きします。単位取得は順調ですか
佐々木
 ぼちぼちでんなー?
今井 おう!
佐々木 ほんと、来年になっても、月から金までびっちり!後期まで学校行って。…俺ら学校大好きだもんな!
今井 そのためにぼちぼちにしてきたんだもんね!

――学校での面白いエピソードはありますか
佐々木
 この間、学校に一限だったんで急いで行って、バッて入って座って授業受けてたら、違う授業だったみたいな。 今井 無難なとこいったね。
佐々木 学校あるある?(笑)。
今井 まあ、俺も、学校あるあるなんだけど。朝、パッと起きた時、アラーム鳴ってなくて電車乗るまで、あと15分。で、髪の毛もセットしないで、バーンってボルトみたいに走って電車乗って、ぎりぎり三限セーフみたいな。
佐々木 三限に遅刻しそうなんすよ!(笑)。 三限ですよ!一時ですよ!
今井 (笑)。で、授業受けて、友達とかも隣にいて、「おーワッショイ、いい筋肉してるね」みたいな。で、終わって帰ってくる途中に駅のトイレに駆け込んだんだけど、手洗って、年頃だから自分の容姿が気になって鏡見た瞬間、Tシャツが裏返しだった。
佐々木 一日中ね!(笑)。

――自転車をやっていなかったら
佐々木
 僕は、野球やって甲子園出てキャーキャー言われながら、プロ野球入ってたと思います。…って嘘です嘘です!(笑)。たぶん普通に、高校はその辺の公立高校で、でも野球部はに入ってましたね。

――野球お好きなんですか
佐々木
 野球好きなんですよ。…またメジャーで投げてえなあ。
今井 うそだろ!(笑)。
今井 俺はきっと中卒で、ダダダダダダダダダン(工事現場の作業員のまね)って、そんな感じですかね!ちゃんと、(高校で)やることがあったから良かった!

――最後にユニバーシアードでの目標を
佐々木
 やっぱりメダルを獲得したいっていう気持ちは強いです。
今井 行くからには結果残して帰ってきたいんで、その結果として、メダルがついてくればいいな、と思ってます。

――ありがとうございました!             
    
(取材・編集 坂本奈都美、堀部遥、北田ゆず)



がっちりと握手する二人
◆佐々木龍(ささき・りゅう)※写真右
1990年(平2)10月31日生まれ。180センチ、75キロ。神奈川・横浜高校出身。スポーツ科学部3年。好きな中華料理は「俺DD(どれでも大好き)だから!」と言いつつも、「鶏のカシューナッツ炒め」と中華にはうるさいという言葉通りマニアックな返答で周囲を驚かせた佐々木龍選手。最近一番悲しかったことは、トイレに行った際に「全部使用禁止のテープが貼られていたこと」だそう。身ぶり、手ぶりや冗談を交えながら最初から最後までエンジン全開で話して下さいました!自転車だけでなく、話しの方でも大活躍でした!

◆今井一誠(いまい・かずま)※写真左
 1990年(平2)5月10日生まれ。170センチ、68キロ。東京・昭和一学園出身。社会科学部3年。ユニバーシアードへ向け中国語のアプリをダウンロードしたという今井選手。中国へ行く準備は満タンです!しかし、そのアプリが数日後に有料化されてしまい見れなくなってしまったんだとか。インカレが終わったらインドへ一人弾丸ツアーを計画しているという国際派の今井選手の中国で行きたい所は「チャイナタウン!」と笑いをさそいました。こちらも、鋭い突っ込みで取材を盛り上げ佐々木龍選手との息のあった最強のコンビネーションを見せてくれました!







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